前立腺は精液を作っている臓器です。前立腺肥大は男性の特有の病気です。
年齢を重ねると前立腺が大きくなり、50代の男性は半数程度、80代以上の男性では80%近くの男性が前立腺肥大症にかかっていると言われています。
大きくなった前立腺が尿道を押さえ、狭くし、排尿の出が悪くなります。
最悪の場合尿がほとんど出なくなり、尿道に専用の機具を入れて強制的に出すことになります。
1.肥大した前立腺が尿道を圧迫
2.交感神経の緊張を緩和して機能的閉塞を緩和
3.肥大した前立腺を縮小させて機能的閉塞を緩和
排尿後、まだ尿が残っている。
お腹に力を入れないと尿が出ない。
尿が途中で途切れる。
夜中に何度もトイレに起きる。
トイレが近い。
急に尿意を催し漏れそうで我慢できない。
尿の勢いが弱い。
尿検査・エコー検査で状態を確認して治療判断をおこないます。
主な薬は3種類あります。
アルファー1ブロッカー:前立腺部尿道の筋肉の緊張を緩和して症状を改善。
5アルファー還元酵素阻害薬:肥大した前立腺を縮小させ症状を改善。
ホスホジエステラーゼ5阻害薬:尿道の抵抗や血流障害を軽減して症状を改善。
内服治療で効果がない場合は手術療法があります。手術はふじおか腎泌尿器科クリニックではおこなっておりませんが、地域の病院と連携しておりますのでご紹介させていただきます。
前立腺がんは読んで字のまま前立腺にできるがんです。よく勘違いされやすいのですが、前立腺肥大症とは全く別の病気です。前立腺肥大症が前立腺の内側にできるのに対して前立腺がんは外側にできます。前立腺肥大症と同じような年配の方に多く見られています。
前立腺がんによる死亡者数は2015年には2000年の2倍以上、1995年の約3倍になると推定されています。さらにこの予測をもっと上回るとも言われています。
前立腺がんは自覚症状がほとんどありません。そこが一番怖い所でもあります。排尿などにも特に変化は見られません。
がんが骨に転移し痛みを感じることがありますが、こうなった状態はかなり進行しているといえます。
前立腺から分泌されるPSAという物質の血液中の濃度を測定します。PSAはProstate Specific Antigenの略で前立腺特異抗原と呼ばれます。いわゆる血液検査です。この方法が現時点では有効な方法になります。
血液検査は当院でもおこなっておりますので、50代以上の方は血液検査を受けることをお勧めいたします。